近年、女性の社会進出が加速し、企業における女性の活躍推進はますます重要になっています。しかし、現状として女性が働きにくいと感じる環境は、依然として存在するものです。
女性にとって働きにくい環境は、女性の活躍推進を妨げるだけでなく、優秀な人材の流出にもつながるため注意が必要です。
そこで今回は、女性が働きやすい環境の特徴や、企業が実践すべき7つの取り組みを解説します。女性が働きやすい環境であることで企業が得られるメリットも紹介するので、あわせて参考にしてください。
7つの取り組みを参考にしながら自社に合った施策を実施し、女性が能力を発揮できる職場を実現しましょう。
目次
女性の労働環境の実態
政府は女性活躍推進法に基づき、女性が能力を十分に発揮できる社会の実現を目指しています。具体的には、企業における女性管理職の比率目標の策定や、仕事と家庭の両立支援などが推進されています。
昔に比べると女性の労働環境は改善しつつありますが、依然として課題も多く残っているのが事実です。
この章では、以下のような、女性の労働環境の実態や課題について解説します。
- ●キャリアと家庭の両立が難しい現状
- ●出産や育児に伴う問題
それぞれ詳しく見ていきましょう。
キャリアと家庭の両立が難しい現状
多くの企業で常態化している長時間労働は、キャリアと家庭の両立を目指す女性にとって大きな障壁です。管理職になると長時間労働が避けられなくなり、仕事と家庭の両立が困難になります。
長時間労働は、女性の健康への悪影響や仕事へのモチベーション低下など、さまざまな問題を引き起こします。特に、子育てや介護と両立しながら働く女性にとって、大きな負担になり兼ねません。
負担を軽減するために短時間勤務を選択するのもひとつの方法です。しかし、短時間勤務者は昇進や昇給の機会が制限されるなど、キャリア形成において不利な状況に置かれることが多々あります。
こうした状況は、女性の働く意欲を低下させ、キャリア形成を断念させてしまう要因にもなります。
出産や育児に伴う問題
出産や育児を理由に、離職やキャリアダウンを選択する女性は少なくありません。 日本では、男性よりも女性の方が育児に責任をもつべきだという考え方が根強く残っています。実際、令和3年度の男性の育児休暇取得率は13.97％と、女性の85.1％と比べて非常に低い水準です。
特に、乳幼児期は夜中の授乳や夜泣きなど、母親は睡眠不足になりやすいものです。子どもが病気になったときや学校行事があるときは、仕事を休む必要があります。子育て支援が不足していれば、女性は仕事を諦めざるを得ない状況に陥ります。
参照：厚生労働省 「令和３年度雇用均等基本調査」
女性が働きやすい環境を実現している企業の特徴とは
近年、女性活躍推進法の制定や社会的な意識の変化により、 女性が働きやすい環境を整備する企業が増えています。 女性にとって働きやすいと感じる企業に見られる特徴は、以下の3つです。
- ●女性管理職が多い
- ●育児をしている社員がいる
- ●福利厚生などの制度が充実している
女性の活躍を推進するヒントにつながるので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
女性管理職が多い
女性が働きやすい環境を実現している企業は、女性管理職の存在が目立つものです。
女性管理職が多い企業は、女性社員が目標とするロールモデルとなる存在が身近に多く存在します。実際に同じ女性が活躍している姿を間近で見ることで、「自分にもできる」という自信につながります。
また、「自分もあのようになりたい」という具体的な目標をもちやすくなるため、仕事へのモチベーション向上にもつながるのです。
加えて、女性管理職が多い企業は、女性の意見が反映されやすい傾向があります。生理休暇や産後休暇・育児休暇復帰支援制度など、女性特有のニーズに合った施策を導入しやすく、より働きやすい環境を実現します。
育児をしている社員がいる
育児経験のある社員が多い職場環境は、育児に奮闘する女性にとって大きな支えとなります。育児をしていると、喜びと同時に孤独感や不安を感じることが多いものです。同じ育児経験をもつ仲間がいれば、悩みや不安を共有できるため、精神的な負担軽減につながります。
また、育児休暇や短時間勤務などに理解がある環境では、安心して制度を利用できます。自身の状況に合わせた働き方を選択できるため、育児と仕事の両立が可能です。
一方で、育児に関する制度があっても実際に機能していない場合や、育休明けの離職率が高い場合は働きやすい環境とはいえません。このような場合は、制度の見直しや、多様な価値観を受け入れる文化の醸成が必要です。
福利厚生などの制度が充実している
福利厚生などの制度が充実している企業は、女性にとって働きやすい環境といえます。
そもそも、女性は男性と比べて、生理痛や更年期障害などの身体的な悩みを抱えやすい傾向があります。このような悩みを抱える女性にとって、健康診断やカウンセリングなどの健康サポート制度は心身の健康を維持するために重要です。
制度が充実していると、体調やライフスタイルに合わせて働き方を選択できるため、自身の能力を最大限に発揮しやすくなります。
女性が働きやすい環境づくりのための取り組み
女性が働きやすい環境づくりのために必要な取り組みは、以下のとおりです。
- ●産休、育休、生理休暇の取得を促す
- ●テレワーク・在宅勤務を導入する
- ●フレックスタイム制を導入する
- ●キャリア支援を充実させる
- ●企業内に託児所を設ける
- ●福利厚生を充実させる
- ●オフィス環境を整備する
女性に長く活躍してもらいたい企業の担当者は、参考にしてください。
産休、育休、生理休暇の取得を促す
産休、育休、生理休暇は、女性の心身の健康を守り、仕事と生活の両立を支援する重要な取り組みです。休暇制度を導入するだけでなく、女性が休暇を取得しやすい環境をに整える必要があります。そのためには、制度の周知徹底、取得しやすい環境づくりが必要です。
具体的な対策は、以下のとおりです。
- ●制度の内容や取得方法をまとめた冊子やパンフレットを作成し、従業員に配布する
- ●社内ポータルサイトや社内報に制度に関する情報を掲載する
- ●新入社員研修や定期研修で制度の説明をおこなう
- ●上司向け研修で、部下の休暇取得を促すためのマネジメント方法を指導する
また、育休においては男性社員の取得を推奨するのも有効です。女性社員が休暇を取りやすい環境を、さらに促進できます。
テレワーク・在宅勤務を導入する
テレワーク・在宅勤務の導入は、女性が働きやすい環境づくりのために有効な手段です。多様な働き方に対応できるため、子育てや介護をしながらでも仕事を両立しやすくなります。
テレワーク・在宅勤務の最大の魅力は、仕事の時間を柔軟に調整できる点です。子どもが風邪をひいたときや、家族の介護が必要なとき、状況に合わせて仕事を進められます。また、通勤時間の削減にもつながるため、家事や育児の負担を軽減し、ワークライフバランスの向上に貢献します。
従来の「働く場所」や「働く時間」にとらわれないテレワーク・在宅勤務は、女性が仕事を続けていくうえで必要な働き方です。
テレワークや、在宅勤務を導入した際に発生する１番の問題が、「誰がいつオフィスにいるのか、来るのか？」がわからないことです。
そんな時に、弊社の座席管理ツール「WORK AGILE」を使うと、社員の所在地を簡単に把握でき、勤怠管理の際にも便利です。
以下の資料では、WORK AGILEの機能や導入方法等を詳しく説明しています。サービスについて気になる方は、まずはご一読ください。
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フレックスタイム制を導入する
フレックスタイム制の導入は、女性が働きやすい環境づくりのために、積極的に実施したい取り組みです。
フレックスタイム制とは、労働者が始業時間と終業時間を一定の範囲内で自由に決められる制度です。コアタイムと呼ばれる決められた時間帯は出勤する必要がありますが、それ以外の時間は自由に設定できます。
フレックスタイム制を導入するメリットは、ライフスタイルに合わせた働き方を実現しやすくなるところです。保育園の送迎や家族の介護など時間的な制約がある場合でも、フレックスタイム制なら勤務時間を都合に合わせて調整できます。従来の働き方よりも自由度が高まるので、仕事とプライベートを両立しやすくなります。
フレックスタイム制について、こちらの記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
フレックスタイム制の5つのデメリットとは？メリットや対策、注意点もご紹介
キャリア支援を充実させる
女性が働きやすい環境をつくるためには、キャリア支援を充実させることが重要です。
スキルアップ研修や女性リーダー育成研修など、女性のキャリア形成を支援する制度が整った企業は、女性管理職の比率が高い傾向にあります。女性にとってロールモデルとなる存在が多いため、キャリアアップへのイメージがしやすいです。
キャリア支援は、女性がスキルアップ・キャリアアップを目指すだけでなく、生涯活躍できる環境づくりにも貢献します。収入アップや経済的自立を目指せるので、多くの女性にとって魅力的に映ります。
企業内に託児所を設ける
企業内託児所の設置は、女性が働きやすい環境づくりのための有効な手段です。待機児童問題を抱える地域で働く女性にとって、企業内託児所は「働く選択肢を確保する」という重要な役割を果たします。
認可保育園への入所が困難な状況では、育児を理由に離職せざるを得ない女性が少なくありません。企業内託児所があれば、安心して働き続けられる環境を提供できます。
また、子どもと一緒に出社できるところもメリットです。子どもを別の場所に預けてから出社する必要がなくなるため、朝の慌ただしさや送迎の時間に追われるストレスから解放されます。出産後も働きやすい職場であることは、就活生へのアピールにもつながります。
福利厚生を充実させる
充実した福利厚生は、女性の離職率を低下させる効果があります。 特に、出産や育児、介護などをしながら働く女性にとっては、仕事と生活の両立を支える重要な役割を果たします。
具体的に検討したい取り組みは、以下のとおりです。
- ●育児休暇制度、介護休暇制度
- ●一時保育施設の利用補助
- ●ベビーシッターの利用補助
- ●家事代行サービスの利用補助
- ●食材宅配サービスの利用補助
- ●柔軟な勤務時間制度（フレックスタイム制、テレワーク制度など）
- ●健康管理支援制度（健康診断、ストレスチェック、カウンセリングなど）
福利厚生が充実していれば、仕事と生活を両立しやすくなります。また、女性にとって働きやすい職場環境が整うため、仕事へのモチベーション向上にもつながります。
オフィス環境を整備する
オフィス環境の整備は、女性の働きやすさを向上させる重要な要素です。特に意識したいのは、快適なオフィス空間づくりです。
従来のオフィスは、男性中心に設計されているケースが多く、女性のニーズに合っていないことがあります。たとえば、空調温度が男性に合わせて設定されていると、女性にとっては寒すぎる場合があります。そのため、個別に温度調節できるパーソナルファンやヒーターなどの導入検討が必要です。
また、オフィス家具にこだわるのもオススメです。女性社員の体格や体型に合わせた椅子や、高さ調節可能なデスクなどを導入すると、身体への負担を軽減できます。 オフィス環境を整備する際は、女性社員の意見を取り入れながら実施しましょう。
オフィス環境の改善アイディアについては、以下の記事でも解説しているので、参考にしてください。
オフィス環境の改善アイディア5選！得られる効果や成功のポイントもご紹介
オフィス環境の整備によって、風通しの良い職場にすることで、女性社員が何か困ったときやサポートが必要なときなどに相談しやすくなります。
弊社の座席管理ツール「WORK AGILE」をご利用いただくと、座席の利用状況データを蓄積・分析して、グラフとして表示することができます。 このデータを活用することで、オフィスレイアウトの改善や、より効率的なオフィスの運用方法を実現できます。
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女性が働きやすい環境を整えるメリット
女性が働きやすい環境に整えることは、企業にとってもメリットがあります。具体的なメリットは、以下のとおりです。
- ●業績の向上につながる
- ●優秀な人材を確保し、人手不足を解消できる
- ●助成金を利用できる場合がある
それぞれのメリットを理解し、女性が働きやすい環境づくりの重要性を認識しましょう。 業績の向上につながる 近年、女性活躍推進は「社会的な義務」から「経営戦略上の重要課題」へと進化しています。女性が能力を発揮できる環境は、業績向上やイノベーション創出など、さまざまなメリットをもたらします。
女性は男性とは異なる視点や価値観をもち、多様なアイデアや意見を提案できます。そのため女性社員の登用は、企業全体のイノベーション創出につながります。
実際に、アメリカの調査では、フォーチュン500の企業の業績を比較した結果、女性役員比率と、ROEなどの各種経営指標の数値の関連性が示されています。
また、女性が働きやすい環境は、男性にとっても働きやすい環境です。従業員全体のエンゲージメント向上につながり、生産性や業績向上に貢献します。
こちらも、経済産業研究所の調査により、介護育児支援や柔軟な職場環境支援に取り組む企業と、それらに取り組まない企業との比較で、粗利益が２倍以上異なることが判明しています。
優秀な人材を確保し、人手不足を解消できる
女性が働きやすい環境は、優秀な人材を確保し、企業の競争力の強化につながります。
女性にとって働きやすい職場は、女性も男性同様に、能力や経験に基づいてキャリアアップできる機会が多くあるものです。そのため、女性が活躍する企業としてアピールできるため、社会貢献意識の高い企業としてポジティブな評価を得られます。企業イメージが向上すれば、優秀な人材を引き寄せやすくなるのです。
また、少子高齢化により労働人口が減少している今、人手不足に悩む企業は少なくありません。女性が働きやすい環境を整えれば、育児や介護など家庭の事情を理由に離職した女性が再び活躍できる場を提供できます。
助成金を利用できる場合がある
女性が働きやすい環境に整えた企業は、助成金を利用できる場合があります。
利用できる助成金の一例は、以下のとおりです。
- ●両立支援等助成金（不妊治療両立支援コース）：中小企業が不妊治療と仕事との両立支援に取り組む場合に助成
- ●働き方改革推進支援助成金（労働時間短縮・年休促進支援コース）：中小企業が生産性を向上させ、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備に取り組む場合に助成
助成金を活用すれば、女性活躍推進に必要な費用を補助できるため、取り組みのさらなる加速が可能です。また、助成金は新規事業の立ち上げや設備投資など、事業の推進にも役立てられます。
女性が働きやすい環境作りを支援するWORK AGILE
引用元：WORK AGILE公式HP
女性が働きやすい環境をつくるための取り組みの一環として、テレワークやフレックスタイム制を導入する企業は増えています。
テレワークは自分に合った場所で仕事ができるため、家庭との両立が実現しやすい働き方です。また、フレックスタイム制は、始業時間や終業時間を自由に設定できる制度です。家事や育児の合間に仕事をするなど、自身のライフスタイルに合わせて働けます。
しかし、テレワークやフレックスタイム制は社員の所在が分かりにくいといったデメリットがあります。このデメリットをカバーするのが、 オフィス全体の管理を統合的に行える座席管理システム「WORK AGILE」です。
座席管理システム「WORK AGILE」は、社員の所在を把握するための有効なツールです。オフィスの座席状況はリアルタイムに確認できるので、特定の社員を探す手間が省けます。勤怠管理システムとの連携も可能なので、オフィスにいる社員からテレワーク中の社員まで一元的に管理できます。
以下の資料では、WORK AGILEの機能や導入方法等を詳しく説明しています。サービスについて気になる方は、まずはご一読ください。
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まとめ
女性はこれまで、出産や育児、介護などライフステージの変化によって離職するケースが多く見られました。職場が働きやすい環境であれば、優秀な女性人材の流出を防ぎ、長く活躍してもらえます。また、女性が働きやすい環境は、女性だけでなく、男性にとっても働きやすい環境作りにつながります。
テレワークやフレックスタイム制などの導入は、ワークライフバランスの向上につながる取り組みです。仕事と家庭を両立しやすくなるため、社員の集中力やモチベーションが高まり、生産性向上につながります。
弊社の座席管理ツール 「WORK AGILE」は、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を可能にするツールです。さらに、QRコードの読み込みをベースとしたシンプルなツールのため、最短即日で利用が可能です。
以下の資料では、WORK AGILEの機能や導入方法などを詳しく解説しています。サービスについて気になる方は、まずはご一読ください。
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