仮眠室をオフィスに設置するメリットや、運用ルールと作る際のポイントを解説

従業員の生産性向上や健康管理は、企業にとって重要な課題です。企業は、従業員が最大限の力を発揮できるよう、働きやすい環境を提供する必要があります。その有効な手段のひとつとして、近年注目されているのがオフィスへの仮眠室設置です。

仮眠室を設置することで、従業員が短時間でリフレッシュし、集中力やパフォーマンスを向上させる効果が期待できます。また、企業イメージの向上にもつながり、人材の確保や定着率向上にも役立つと考えられているのです。

この記事では、企業がオフィスに仮眠室を設置するメリット、運用ルール、作る際のポイントなどを詳しく解説します。ぜひ最後まで読み進め、あなたの会社にとって最適な仮眠室の設置・運用方法を見つけてください。

仮眠室をオフィスに設置する背景

タブレットを持ちながら微笑む女性社員

現代のビジネス環境において、従業員は長時間労働やストレス、睡眠不足といったさまざまな課題に直面しています。このような状況下で、企業は従業員の健康を守り、より働きやすい職場環境を提供する責任を強く求められています。

そこで注目されているのが、オフィスへの仮眠室設置です。仮眠室の設置は、従業員が短時間でリフレッシュし、集中力やパフォーマンスを向上させる有効な手段です。わずか15~20分程度の仮眠でも、リラックス効果によって新しいアイデアも生まれやすくなるでしょう。

また、仮眠スペースの設置には企業イメージの向上といった狙いもあります。「従業員を大切にしている企業」という印象を与え、人材の確保や定着率向上にもつながるでしょう。

仮眠室の設置義務が生じる条件

労働安全衛生法では、事業者は従業員の健康を確保するために必要な措置を講じる義務があります。この法律に基づき、以下の事業場では、事業者に仮眠室の設置義務が生じます

  • ●深夜業をおこなう事業場(夜勤で働く人に睡眠を与える必要のある会社)
  • ●長時間労働の事業場(労働者が就業の途中に仮眠することのできる機会がある会社)

これらの事業場では、労働者が適切に休息をとれるよう、仮眠室の設置基準を満たす必要があります。なお、従業員が常時50人以上いる、または女性従業員が常時30人以上いる職場では、男女別の仮眠室を用意しなければいけません。

参考:労働安全衛生規則|e-Gov法令検索

仮眠室をオフィスに設置するメリット

スマホを横に眠る女性

オフィスに仮眠スペースを設ければ、企業と従業員双方に多くのメリットをもたらします。主なメリットは、以下の4つです。

  • ●生産性が向上する
  • ●従業員の健康維持につながる
  • ●より効果的に休憩できる
  • ●自社のブランディングにつながる

これらのメリットを詳しく見ていきましょう。

生産性が向上する

仮眠室で短時間でも睡眠をとることで、従業員の集中力やパフォーマンスが向上し、結果として生産性向上が期待できます

人間の集中力は、時間とともに低下していくものです。特に、昼食後の午後は、眠気や倦怠感を感じやすくなります。このような状態で作業を続けても効率は上がらず、ミスや事故のリスクを高める可能性も考えられます。

仮眠をとれば脳が休まるため、集中力やパフォーマンスを回復させられます。新しいアイディアの創出や、ミスの軽減といった効果が期待できます。

従業員の健康維持につながる

睡眠不足は、心身の健康に悪影響を及ぼします。集中力や判断力の低下、イライラしやすくなる、免疫力の低下など、さまざまな問題を引き起こしかねません。

オフィスに仮眠室を設置することで、従業員は業務の合間に仮眠をとれ、睡眠不足を解消しやすくなります。仮眠は、ストレス軽減や疲労回復にも効果があり、心身をリラックスさせられるのです。

また、仮眠室の設置は、従業員に健康的な生活習慣を意識させるきっかけにもなります。従業員は「会社が健康を気遣ってくれている」と感じ、健康管理に対する意識が高まりやすくなります。仮眠室の設置をきっかけに、生活習慣の改善につながる可能性も期待できるでしょう。

より効果的に休憩できる

背伸びする女性

仮眠室は、従業員が周囲の音や視線を気にせず、リラックスして休憩できる専用のスペースです。

通常の休憩スペースでは、周囲の会話や電話の音などが気になって、なかなかリラックスできないこともあるでしょう。仮眠室は、仮眠をとるための専用スペースなので、周囲の音や視線を気にせず、心身を休ませることに集中できる環境を提供できます。そのため、従業員はより質の高い休憩がとれ、心身をリフレッシュできるでしょう。

リフレッシュした状態で業務に戻ることによって、集中力やパフォーマンスの向上、ストレス軽減などが期待できます。結果として、業務効率の向上やミス削減などの効果が期待できるでしょう。

自社のブランディングにつながる

仮眠室がある会社は、「従業員を大切にしている企業」というポジティブなイメージを与え、企業ブランディングにも好影響を及ぼすかもしれません。

現代では、企業の価値を判断する際に、従業員に対する待遇や働きやすさが重視される傾向にあります。仮眠室の設置は、従業員の健康や幸福度を重視する企業姿勢をアピールする有効な手段のひとつです。働きやすい環境作りをアピールすることで、人材の獲得にもつながるでしょう。

特に昨今の求職者は、企業の福利厚生や労働環境を重視する傾向にあります。仮眠室の設置は、他の企業との差別化を図り、魅力的な職場として求職者にアピールできます。さらに、仮眠室の設置は従業員の満足度を高め、定着率の向上にもつながるでしょう。

仮眠室をオフィスに設置するデメリット

ビックリマークが書かれたサイコロ

仮眠室の設置は多くのメリットをもたらしますが、一方でデメリットもいくつか存在します。主なデメリットは、以下の2つです。

  • ●仮眠時間の調整に困難が伴なう
  • ●残業時間の増加のおそれがある

事前にデメリットを把握しておけば、起こりうる問題を予測し、対策を立てておけます。詳しく見ていきましょう。

仮眠時間の調整に困難が伴なう

オフィスに仮眠室を設置するデメリットとして、仮眠時間の調整が難しい点が挙げられます。そもそも、適切な仮眠時間は個人によって異なります。集中力を要する作業後や、体力を使う作業後など、業務内容によっても必要な仮眠時間は変わるものです。

仮眠時間が長すぎてしまうと、かえって集中力を低下させ、業務の質や生産性を下げてしまう可能性があります。だるさや倦怠感を感じてしまう原因にもなり得ます。

仮眠室を設置する際は仮眠時間の上限設定や、仮眠後の業務への影響を考慮するなど、適切な運用方法の検討が必要です。

WORKAGILEなら、仮眠室の利用時間を予め設定することで、適切な仮眠時間管理を支援します

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残業時間の増加のおそれがある

従業員が仮眠をとることで、結果として残業時間増加につながる可能性があります。

仮眠時間を勤務時間として扱うと、従業員は「仮眠をとる=労働時間」という意識を持ってしまいます。

本来、仮眠は従業員の疲労回復を促し、集中力やパフォーマンスを向上させるためのものです。しかし、仮眠時間が労働時間となると、従業員は仮眠で労働時間を延ばそうとする可能性があります。

従業員の中には、業務終了後に帰宅する時間に仮眠を取り、その後も残業を続けるといった行動が見られるかもしれません。

仮眠室を設置する際は、このような残業時間増加のリスクも考慮しルールを定めなければいけません。

仮眠室の運用はルール作りが大切

打合せする3人の社員

仮眠室を快適かつ効果的に利用するためには、企業での適切なルール作りが重要です。ルールがないとオフィス内でさまざまな問題が発生し、従業員にとって快適な環境ではなくなってしまう可能性があります。

特にルール作りで重要となるのは、以下の3つです。

  • ●アラームの音量を決める
  • ●次に使う人のために清潔に利用する
  • ●利用する時間の上限を決める

皆が気持ちよく利用できるようにするにはどのような仮眠制度を設けるとよいのか、詳しく見ていきましょう。

アラームの音量を決める

仮眠室では、周りの人に迷惑をかけないよう、アラームの音量に気を配ることが大切です。大きなアラーム音は、他の人の睡眠を妨げてしまう可能性があります。アラーム音がきっかけで、従業員同士がトラブルになるケースも考えられます。

アラームの音でトラブルを避けるためには、周りの人に聞こえない程度の音量に設定するのが効果的です。聞こえ方には個人差があるので、ルールで音量を具体的に決めておくのがよいでしょう。

また、バイブレーション機能やイヤホンを使用して、自分だけに聞こえるようにするのもよい方法です。

次に使う人のために清潔に利用する

仮眠室は、複数の人が共有するスペースです。次に使う人が気持ちよく利用できるよう、清潔に利用するのはマナーの基本です。

使用後はベッドや枕を整え、ゴミや私物を持ち帰るようにしましょう。仮眠中に汗をかいた場合はシーツを交換したり、タオルで拭いたりして、清潔な状態を保つように心がけるのも気遣いのひとつです。また、衛生面に配慮することは、感染症の予防にもつながります。

汗っかきの人は大きめのタオルを持参し、枕やシーツに敷いて使うとよいでしょう。

利用する時間の上限を決める

仮眠の効果を最大限に引き出すには、適切な仮眠時間を守ることが重要です。

長すぎる仮眠は、夜の睡眠に悪影響を及ぼしたり、かえって倦怠感を感じたりしてしまう可能性があります。また、仮眠時間が長くなると、その分業務に支障をきたしてしまいます。

一般的に、適切な仮眠時間は20~30分程度です。「1回30分まで」「午後3時以降は利用禁止」などの具体的なルールがあれば、従業員は意識して守ろうとするでしょう。仮眠の効果を高め、皆が気持ちよく利用するためにも、仮眠室の利用時間の上限は事前に決めておきましょう。

仮眠室は数が限られるため、WORKAGILEのようなスペース・座席予約システムで利用時間を管理することで、全員が公平に利用しやすくなります。

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仮眠室をオフィスに作る際のポイント

リラックスるする女性社員

せっかく仮眠室を作るなら、従業員が快適に利用でき、効果的にリフレッシュできる空間にしたいですよね。オフィスに仮眠スペースを作るポイントは、以下の2つです。

  • ●ワークスペースから離れた場所に作る
  • ●仮眠に適切な環境を作る

効果的な作り方を参考に、従業員が心身ともにリフレッシュできる快適な仮眠スペースを構築しましょう

ワークスペースから離れた場所に作る

仮眠室は、従業員が周囲の音や視線を気にせず、リラックスして休息できる場所に作るべきです。そのため、ワークスペースから離れた場所に作るのが理想的です。

ワークスペースが近くにあると、

  • ●業務中の会話や電話の音などが聞こえてきて集中できない
  • ●周りの人の目が気になってリラックスできない

といった問題が発生する可能性があります。

仮眠室とワークスペースが離れた場所にあれば、このような問題を回避し、従業員はより快適に休息をとれます。

仮眠に適切な環境を作る

快適な仮眠をとれるよう、仮眠室の環境作りにも気を配りましょう。目指すのは、従業員が心からリラックスでき、短時間で質の高い休息を得られる空間です。

仮眠室にあったらいいものとしては、以下のアイテムが考えられます。

  • ●仮眠用ベッド
  • ●遮光カーテン
  • ●アロマディフューザー
  • ●ブランケット
  • ●パーテーション
  • ●アイマスク
  • ●耳栓

これらのアイテムを揃えることで、従業員がより快適に仮眠をとりやすくなります。心身ともにリフレッシュして業務に臨めるでしょう。

また、スペース的に仮眠室を作るのが難しい場合は、オフィスチェアやリクライニングチェアなど仮眠しやすい椅子があると便利です。

オフィスに仮眠室を設置するなら「WORKAGILE」がオススメ!


WORK AGILEの管理画面


引用元:WORK AGILE公式HP

仮眠室は周囲の視線や音を遮るため、空席を探すのが難しく、誰がどこにいるのか把握しにくいという問題があります。仮眠室を設置するなら、会議室予約システムのようなツールで仮眠室の利用を管理するのがオススメです。

WORKAGILEは、オフィススペースの効率的な活用を支援するシステムです。たとえば、WORKAGILEのフロアマップ機能を使えば、オフィスの空きスペースを簡単に把握できます。最適な仮眠室の設置場所を検討する際に役立つでしょう。

仮眠室の利用予約をシステム化することで、利用状況を可視化し、公平な運用を実現できます。誰が、いつ、どの仮眠室を利用しているのかを、一目で把握できます。

さらに、WORKAGILEでは仮眠室の利用状況をデータ化して分析でき、改善点を見つけることも可能です。どの時間帯に利用が多いのか、どの仮眠室が人気なのかを把握できるため、より快適な仮眠室の運用につなげられます。

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まとめ

仮眠をとる女性社員

仮眠室の設置は従業員の健康管理や生産性向上、企業イメージ向上など、多くのメリットをもたらします。適切な設置場所と快適な環境、明確な運用ルールを整備すれば、従業員が最大限にリフレッシュできる仮眠室を実現できるでしょう。

さらに、仮眠室の運用効率を高めたい場合は、オフィススペース管理システム「WORKAGILE」の導入もオススメです。WORKAGILEを使えば、仮眠室の予約状況の可視化や利用状況の分析などが可能になり、よりスムーズな運用を実現できます。

仮眠室の設置を検討されている担当者様は、本記事を参考にして、従業員にとってより働きやすいオフィス環境作りを実現しましょう。

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