フリーアドレスオフィスのレイアウト例7選!設計の流れやコツも合わせて紹介

近年、働き方改革やコミュニケーション活性化の手段として、フリーアドレスオフィスを導入する企業が増えています。しかし、いざ導入しても、レイアウトや運用方法に悩むケースも少なくありません。

そこで本記事では、フリーアドレスオフィスの設計の流れやコツ、そして7つの代表的なレイアウト例を紹介します。記事の後半では、フリーアドレスオフィスのレイアウトを最適化するおすすめのツールも紹介するので、あわせて参考にしてください。

理想のフリーアドレスオフィスを実現し、従業員の満足度向上や企業の成長へとつなげましょう。

フリーアドレスオフィスとは?

男女3人で会話する社員

フリーアドレスオフィスとは、オフィス内に固定席を設けず、従業員が自由に好きな席で仕事をするオフィス空間です。従来の固定席制とは異なり、従業員は毎日異なる席で作業することが可能になります。

フリーアドレスオフィスを導入すると、従業員は仕事の内容に合わせて席を選ぶことができます。集中して作業したい場合は静かなブース席を、同僚と相談しながら作業したい場合はカフェスペースを、といった選択が可能です。

他にも、従業員が自由に席を選ぶことで、部署を超えたコミュニケーションが生まれやすくなります。部署を超えた交流が増えれば、新しいアイデアが生まれたり、コラボレーションが生まれたりする可能性が高くなります。

フリーアドレスについては、こちらの記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
【新しい働き方】フリーアドレスとは?目的や向き不向き、導入のポイントを解説

フリーアドレスオフィスの主な種類は2つ

オフィスで微笑む女性社員

フリーアドレスオフィスは、従業員が自由に席を選べるオフィス環境であり、その種類はさまざまです。ここでは、フリーアドレスオフィスの主な種類を2つ紹介します。

完全フリーアドレス型

完全フリーアドレス型とは、オフィス内に一切の固定席を設けず、従業員は毎日異なる席で仕事をするオフィス形態です。

座席の自由度が高いフリーアドレスオフィスであり、コミュニケーションの活性化やオフィスの有効活用など、多くのメリットをもたらします。特に、テレワークの普及によってオフィスにいる従業員数が流動的な企業にとっては、スペースの有効活用につながります。

一方で、完全フリーアドレス型を導入する場合は、私物の管理やセキュリティ対策などには注意が必要です。従来の固定席制と比べて、紛失や情報漏洩などセキュリティリスクが高まる可能性があります。また、メンバーの居場所がわかりにくくなるため、従業員同士の連絡や情報共有が難しくなってしまうのが大きな課題です。

グループアドレス型

グループアドレス型とは、チームやプロジェクトごとに所在エリアを設け、メンバーはそのエリア内で自由に席を選べるオフィス形態です。

完全フリーアドレスよりも座席の自由度は下がりますが、定期的に席を変えることで気分転換になり、マンネリ化を防ぐことができます。

グループアドレス型はチームメンバーが同じエリアで仕事をするため、情報共有や意見交換がスムーズに行われます。自然とコミュニケーションが活性化され、チームワークの向上に効果的です。

デメリットとしては、グループ内でのフリーアドレスとなるため、フリーアドレスの効果として期待されるコミュニケーションの活性化がグループ内に限られることです。また、チームの規模が大きすぎるとスペースが不足し、従業員の不満を生みます。導入する際はチームメンバー全員が快適に仕事できるスペースの確保が必須です。

グループアドレスについては、こちらの記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
グループアドレスとは?フリーアドレスとの違いや、オフィスに導入する流れ4ステップも解説!

フリーアドレスオフィスのレイアウト例7選

フリーアドレスを導入したオフィス

フリーアドレスオフィスにはさまざまなレイアウトが存在します。代表的なレイアウト例は、以下の7つです。

  • ●対向式
  • ●同行式
  • ●背面式
  • ●カウンター式
  • ●ブース式
  • ●集中ブース式
  • ●ベンゼン式

それぞれの特徴を解説するので、どのレイアウトが適しているのか参考にしてください。

1.対向式

対向式は従来のオフィスと同じように、デスクを向かい合わせに配置するレイアウトです。部署やチームごとにまとまって座れるため、情報共有や連携がスムーズに行われるのが特徴です。

また、デスクを密集して配置するため、ケーブルなどの配線がしやすく、レイアウトを工夫すれば目立たなくできます。見た目がよくなる上に、限られたスペースを効率的に利用できます。

その一方で、対向式は従来のオフィス形態と変わらないため、フリーアドレスの効果は出にくいです。周囲の視線が気になり、集中力が途切れる可能性もあります。対処法としては、パーティションで視覚的な区切りを設けるのが有効です。

対向式を導入すると、プライバシー保護や集中力向上はもちろん、オフィスの雰囲気や空間をガラリと変える効果も期待できます。

2.同行式

同行式は学校の教室のように、デスクを同じ方向に並べるレイアウトです。

人と向かい合わないため、周囲の視線が気にならず、集中しやすい環境を作ることができます。また、プライバシーを保護できるレイアウトでもあるため、機密性の高い情報を取り扱う際にも安心です。

一方で、隣接する従業員以外とはコミュニケーションが取りづらいというデメリットがあります。プロジェクトチームで業務を遂行する際には、不便に感じる場面があるでしょう。コミュニケーションを重視する場合は、対向式レイアウトのほうが適しています。

3.背面式

3.背面式

背面式は、デスクを背中合わせに配置するレイアウトです。円形や四角形など、さまざまな配置パターンが存在します。

パーティションで区切られた個室のような空間は、周囲の視線を遮断し、集中しやすい環境を作ります。同じ部署のメンバーがまとまるようなグループアドレス型を併用すれば、振り返るとすぐにメンバーがいるため、気軽にコミュニケーションを取りながらの業務も可能です。

しかし、背中合わせになっていないデスクとのコミュニケーションは取りにくく、部署間の連携には適しておらず、従業員によっては孤立感や、狭い空間に密集して座る際は圧迫感を感じることがあります。

4.カウンター式

カウンター式レイアウトは、オフィスデスクをバーカウンターのように一列に並べたレイアウトです。

デスクを窓際に設置すれば、仕事の合間に外の景色を眺められるので、よい気分転換になります。緑のある景色ならリフレッシュ効果も期待できるので、集中力回復につながります。

また、導入するデスクは、天板の高さを調整できるタイプがおすすめです。スタンディングワークにも対応できるので、長時間座りっぱなしによる腰痛や肩こりなどの健康リスクを抑えられます。

5.ブース式

ブース式は、テーブルを挟んで2つのソファを対面配置したオフィスレイアウトです。ファミレスのようなカジュアルな雰囲気で、リラックスしながら仕事に取り組めます。

ブース式は対面で座るため、自然と会話が生まれやすく、コミュニケーション活性化に有効です。チームワーク向上の効果も期待できるので、部署やチームで業務を行う際にも適しています。

背もたれの高いソファを設置すれば、周囲からの視線を遮ることができるため、集中できる環境を整えられます。

しかし、ブース式は着席できる人数に制限があるため、大人数での利用には向いていません。従来のデスクと椅子よりもスペースを占有するため、オフィスの広さに余裕がない場合、導入は難しいでしょう。

6.集中ブース式

パソコンを入力する女性

集中ブースは、オフィス内に設置された一人用の個室または半個室スペースです。集中ブースを導入すれば、周囲の視線や雑音を遮れるため、より集中して作業できるようになります。

集中ブースには、大きく分けてフルクローズドタイプとセミクローズドタイプの2種類があります。フルクローズドタイプは、壁・ドア・天井で囲まれた完全個室のブースです。遮音性やプライバシー性に優れており、周囲の環境に影響されずに集中できます。

セミクローズドタイプは、壁や天井の一部がオープンになっているブースです。フルクローズドタイプよりも開放感があり、息苦しさを感じにくいところが特徴です。周囲の状況を把握しながら作業できるというメリットがあります。

どちらのタイプを選ぶべきかは、利用目的やオフィス環境によって異なります。オフィス環境によっては、両方のタイプを併設するのも有効です。

7.ベンゼン式

ベンゼン式は、Y字型または円形のデスクを組み合わせたレイアウトです。

六角形の結晶を思わせるユニークな形態は、まるで細胞のように有機的につながるデスク配置を実現します。チームワークと集中力を高め、活力あふれるワークスペースを生み出します。

ベンゼン式レイアウトは、オフィス空間の広さやチーム規模に合わせて柔軟にアレンジ可能です。たとえば、チームワークを重視する部署では円形のデスクを配置し、活発な意見交換を促進できます。

一方、集中力を重視する部署ではY字型のデスクを配置し、作業に集中しやすい環境を整えられます。ベンゼン式を導入すれば、チームワークと集中力を高め、活気にあふれたワークスペースを実現できるでしょう。

フリーアドレスオフィスのレイアウトの流れ

WEB会議する社員

フリーアドレスオフィスは柔軟性と活発なコミュニケーションを促進する一方で、レイアウトには緻密な計画と工夫が必要です。

レイアウトの流れは、以下の通りです。

  • 1. オフィススペースを分類する
  • 2. オフィスの導線を設計する
  • 3. 家具やデスクの配置を決める

上記の要素に加え、オフィスの規模や従業員数なども考慮しながら、最適なレイアウトを計画しましょう。

1.オフィススペースを分類する

フリーアドレスオフィスは従来の固定席オフィスとは異なり、社員が自由に席を選べる環境です。オフィススペースを明確に分類することで、目的別の空間を効率的に利用し、快適なワーク環境を実現できます。

フリーアドレスオフィスでは、一般的に以下の6つのスペースに分類されます。

  • ●エントランススペース:来客の受付・案内、従業員の出退勤管理など
  • ●ミーティングスペース:会議、打ち合わせ、チームワークなど
  • ●集中スペース:資料作成、レポート作成、プログラミングなど
  • ●ソロワークスペース:電話応対、メールチェック、軽作業など
  • ●ライブラリースペース:読書、資料閲覧、情報収集など
  • ●複合機スペース:印刷、スキャン、資料整理など

限られたスペースを有効活用するためには、状況に合わせたスペースの確保が必要です。どのスペースをどのように組み合わせるのかを明確にしましょう。オフィスの規模や利用人数に合わせて、各スペースの広さを調整します。

2.オフィスの導線を設計する

フリーアドレスオフィスのレイアウトにおいて、オフィスの動線設計は非常に重要です。適切な動線設計は、社員の移動効率を向上させ、快適なワーク環境を実現します。

オフィスの動線を設計する際には、以下のポイントを意識しましょう。

  • ●メイン動線とサブ動線の明確化:主な移動ルートと補助的な移動ルートを区別
  • ●動線の幅:スムーズな移動を確保できる十分な幅
  • ●避難経路の確保:緊急時の安全な避難
  • ●ユニバーサルデザイン:誰もが使いやすい動線

なお、動線の幅はメイン通路が1,600mm、サブ通路が1,200mmを目安にしましょう。

3.家具やデスクの配置を決める

フリーアドレスオフィスの成功は、家具やデスクの配置に大きく左右されます。単に机を並べるのではなく、従業員のワークスタイルやニーズ、オフィス全体の機能性を考慮した戦略的な配置が求められます。

たとえば、集中スペースには集中力を妨げないシンプルなデザインにするのがおすすめです。高さ調整可能なデスクやパーソナルライトなどを配置すると、高い集中力を維持しやすくなります。

また、ミーティングスペースには会議テーブルやホワイトボードなどがあると、さまざまな形式の会議や打ち合わせへの対応が可能です。

各スペースの用途に合わせて家具やデスクの配置を決めれば、より快適で効率的なフリーアドレスオフィスを実現できます。

フリーアドレスオフィスのレイアウト設計・変更を成功させるコツ

明るいオフィスで働く社員

フリーアドレスオフィスのレイアウト設計・変更を成功させるためのコツは、以下の3つです。

  • ●レイアウトの目的を明確にする
  • ●オフィスの利用状況を把握する
  • ●運用後も状況に合わせて都度改善する

自社に合った最適なオフィス環境を作るために、これらのポイントを参考にしてみてください。

レイアウトの目的を明確にする

フリーアドレスオフィスのレイアウト設計・変更を成功させるためには、まず レイアウトの目的を明確にすることが重要です。目的によって最適なレイアウトは異なります。

たとえば、従業員の集中力を高めたいのであれば、集中スペースやソロワークスペースなどが適しています。コミュニケーションを活性化したい場合は、ミーティングスペースやベンゼン式のレイアウトを導入するとよいでしょう。

他にも、企業によってはオフィススペースの縮小や、従業員の健康・モチベーション向上などさまざまな目的があるはずです。明確な目的があれば、必要な設備や家具、動線などを検討しやすくなります。

オフィスの利用状況を把握する

オフィスの利用状況の把握も、レイアウト設計・変更の成功には欠かせません。 利用状況を把握すれば改善が必要なところが見えるため、オフィススペースを効率的に活用できます。

具体的に把握しておきたいポイントは、以下の通りです。

  • ●どのような時間帯にオフィスが利用されているか
  • ●どのような作業にオフィスが利用されているか
  • ●どの程度のスペースが利用されているか
  • ●座席数は足りているか
  • ●コンセントの数は足りているか

たとえば、利用率の低いスペースがあれば、会議室や集中ブースといったニーズの高いスペースに転換できます。 オフィススペースの有効活用は、従業員の満足度向上にもつながります。

オフィス利用状況を正確に把握するには、WORK AGILEがおすすめです。WORK AGILEにはオフィス利用状況の把握に特化した機能が備わっています。従業員の所在情報や席の利用状況など、さまざまなデータを基にオフィスの利用状況を多角的に分析できます。

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運用後も状況に合わせて都度改善する

オフィスのレイアウトは、企業の成長や働き方の変化に合わせて定期的な改善を繰り返すことで、常に最適な状態を維持できます。単なる一時的な変更ではなく、 状況に合わせて柔軟に変化させるのが重要です。

たとえば、従業員に利用状況や満足度に関するアンケートを行い、今ある課題を明確化します。その後、具体的な改善策を検討します。改善策実施後は効果測定を行い、必要があれば改善策を修正しましょう。

定期的な見直しと改善により、常に最適なオフィス環境を維持できれば、従業員のモチベーションや生産性を高められます。

WORK AGILEでは、座席やスペースの利用率をデータで可視化できるので、効果検証を行いやすく、適切なPDCAを回せます。

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フリーアドレスオフィスのレイアウトを最適化するならWORK AGILE

WORK AGILEの管理画面

引用元:WORK AGILE公式HP

オフィス空間を最大限に活用し、 従業員の働きやすさを向上させるためには、フリーアドレスオフィスのレイアウトが重要です。利用状況を把握して最適化させ、状況に合わせて変更を繰り返すことで、最適なレイアウトを見つけられます。

しかし、社員の所在確認や利用状況の把握、従業員のニーズへの対応は容易ではないため、レイアウトの運用に悩むケースは少なくありません。そこで、おすすめなのがWORK AGILEです。

WORK AGILEは座席やスペースの利用状況をリアルタイムで可視化し、オフィスの活用の偏りや課題を明確にします。利用状況のデータに基づいた上でPDCAを回せるので、理想的なワークスペースを実現できます。

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