もしオフィスで仕事中に心地よい音楽が流れていたら……そんな社内BGM(バックグラウンドミュージック)を導入する企業が増えています。社内BGMには「集中力向上」「ストレス軽減」「空間の雰囲気づくり」など様々な効果が期待でき、総務担当者にとって職場環境を整える有効な手段となり得ます。一方で、「社内 BGM がうるさい」と社員に感じさせないための工夫や、曲の選び方、音量管理、著作権への配慮など押さえておくべきポイントもあります。
本記事では社内BGMの導入目的や効果を論理的に解説し、選曲例や快適に運用するコツ、さらにBGMサービス利用時の注意点(著作権や費用、勘定科目など)を紹介します。オフィス環境の改善策として社内BGM導入を検討している総務担当者の方はぜひ参考にしてください。
目次
社内BGM導入の主な効果・メリット

社内BGMを取り入れることで、職場にもたらされるメリットは多岐にわたります。以下に主な効果をまとめます。
集中力・業務効率の向上
適度なリズムの音楽は作業にリズムを生み、ルーチンワークなどのスピードアップに寄与します。実際、ある研究ではオフィスにBGMがある環境下で従業員の生産性が向上したとの結果も報告されています(USEN 特集)。BGMにはタイピング音や周囲の会話をマスキング(カモフラージュ)する効果もあり、雑音が気にならず目の前の仕事に集中しやすくなります。
ストレス軽減・リラックス効果
無音で静まり返ったオフィスは無機質で緊張感を生みやすく、逆にストレスの増加につながることがあります。穏やかなBGMを流すことで職場の雰囲気が和らぎ、適度なリラックス効果が期待できます。
コミュニケーションの活性化
BGMがあると会話がしやすい雰囲気になるという経験はないでしょうか。静まり返った場所では人は小声になりがちですが、心地よい音楽が流れていれば適度な賑わい感が生まれ、社員同士の自然な会話を促進します。明るい雰囲気のアップテンポすぎないジャズなどは職場を和やかにし、コミュニケーションの活性化に役立ちます。BGM導入後に「社内の雰囲気が明るくなった」「社員同士の会話や笑顔が増えた」という声も多く、チームワークや社内エンゲージメント向上につながるケースも報告されています。(会議HACK 「社内活性や残業削減、離職防止などに、BGMがもたらす効果例」)
空間演出・企業イメージ向上
音楽は空間の雰囲気づくりに大きな役割を果たします。例えば、受付エントランスで自社イメージに合った曲を流せば、来訪者に洗練された印象を与え企業イメージアップにつながります。季節感のある曲を流して季節のイベントを演出したり、社内表彰式など社内イベントでBGMを活用したりすることで、社員にとっても「演出が行き届いた活気ある会社」というポジティブな印象を醸成できます。
社内BGMに適した選曲例とジャンルの傾向
社内BGMを選ぶ際は、「仕事の邪魔をしないこと」「多くの人が不快に感じないこと」が大前提です。具体的な選曲例やおすすめジャンル、避けるべき音楽の傾向を以下にまとめます。
歌詞のある曲や激しすぎる曲は避ける
ボーカル入りの曲やヘビーメタルのようにリズムが激しい曲は、どうしても歌詞やメロディに意識が向いてしまい業務の妨げになります。誰もが知っている有名ポップスも、つい口ずさんで集中力低下を招く恐れがあるため、基本的にはインストゥルメンタル(歌詞なし)の音楽を選ぶのが望ましいでしょう。
おすすめジャンル
クラシックやジャズ、ボサノバ、ピアノ・アコースティック系インストゥルメンタル、環境音楽(ヒーリングミュージック)が社内BGMに適しています。例えばモーツァルトなどクラシック音楽にはリラックス効果だけでなく集中を高める効果もあるとされます。また自然音(川のせせらぎ、鳥のさえずり等)は人間の声と近い周波数帯を含むため高いマスキング効果が期待できます。
時間帯で曲調を切り替える
業務開始直後の朝はクラシックで心身を目覚めさせ、昼過ぎの集中力が切れやすい時間帯にはヒーリング系の音で疲労軽減を促すなど、時間帯ごとに曲調を変える工夫も効果的です。
避けるべき音・注意点
同じプレイリストの繰り返しは飽きや不快感につながります。定期的に選曲を見直し新鮮さを保つことが大切です。また社内の雰囲気に合わないジャンル(極端に暗い曲調や尖った現代音楽など)は場違いな印象を与えるため注意しましょう。
「うるさい」と感じさせないBGM運用の工夫(音量・スピーカー配置・ゾーニング)
せっかく良い音楽を流しても、運用方法を誤るとかえって「BGMがうるさい…」と社員の不評を買いかねません。社内BGMを快適に楽しんでもらうための運用上の工夫として、主に「適切な音量設定」「スピーカー配置」「ゾーニング」の3点が重要です。
音量管理
BGMの音量は大きすぎても小さすぎても良くありません。一般に40~50デシベル程度(静かなオフィス相当)が適切な音量とされています。一部の社員だけスピーカーの直下で大音量を浴びることがないよう、複数スピーカーを分散配置しましょう(プラス株式会社)。
スピーカーの配置・指向性の活用
天井や壁に複数設置し音響バランスを整えます。指向性スピーカーを使えば特定エリアだけにスポット的にBGMを流すことも可能です。
ゾーニングと音のメリハリ
リラックスやコミュニケーションを促進するカフェスペースではBGMを流し、集中作業エリアでは無音、あるいは各自ヘッドホン利用可とするなど、エリア別に音環境をデザインします。社内アンケートで定期的に意見を集め、「音が大きすぎないか」「曲のジャンルは適切か」などフィードバックを踏まえて調整しましょう。
BGM配信サービスと著作権・会計上の注意点
著作権クリアな方法を選ぶ
オフィスで音楽を流す際は著作権の扱いに注意が必要です。JASRACでは「社員のみ対象の利用」は手続き不要とされていますが(JASRAC 資料)、来客がいる空間や動画配信などは別途許諾が必要です。市販CDをBGMとして流す場合はJASRACやNexToneに利用申請し、著作権使用料を支払う必要があります。一方、SpotifyやApple Music等の個人向けストリーミングは契約上商用利用が禁止されているため職場BGMには利用できません。
BGM配信サービスの活用
最も簡単なのは専門のBGM配信サービスを利用することです。日本では老舗のUSENが提供する「Sound Design for OFFICE」が有名で、多彩なチャンネルが選べ著作権処理も一括で行えます。
フリー音源の活用
予算を極力かけずBGMを導入したい場合は、著作権フリー(ロイヤリティフリー)音源を利用する手もあります。商用利用OKのフリーBGM素材サイトからダウンロードして社内で流せますが、利用規約の遵守と音響設備の手配が必要です。
勘定科目・会計処理上の補足
社内BGMのサブスクリプション費用は福利厚生費として計上する企業が多いようです。サービス利用料や機器レンタル料は消費税課税仕入となるため、領収書の税込金額と税額を確認し正しく計上してください。音響機器を購入設置した場合は固定資産計上や減価償却の要否を確認しましょう。
フリーアドレスや働き方の変化と「WORK AGILE」導入のすすめ
近年、多くの企業で進むのがオフィスの座席自由化(フリーアドレス化)やテレワーク導入などの働き方の変化です。固定席をやめフリーアドレスにすることで部署の垣根を越えたコミュニケーション活性化やオフィススペースの有効活用が期待できます。しかし一方で、「誰がどこに座っているかわからない」「出社したのに空席が見つからない/会議室が足りない」といった新たな課題も生まれます。
そこでご紹介したいのが、森トラスト株式会社が提供する座席管理システム「WORK AGILE」です(公式サイト)。WORK AGILEはクラウド型の座席予約・管理ツールで、フリーアドレスやハイブリッドワークの課題を解決するために開発されました。初期費用0円、利用料は1アカウントあたり月額220円~(税抜、年間契約換算)と導入しやすい価格で、Web から社員が自由に座席予約を行えます。管理者側は誰がどの席にいるかをリアルタイムに把握でき、座席利用状況データを集計して出社率や稼働率を「見える化」するレポート機能も備えています。無駄席ゼロへの最適化やチームメンバーの近接配置予約など、フリーアドレス導入のメリットを最大化しつつ運用上の悩みを解消できます。
WORK AGILEに関するお問い合わせはこちら

引用元:WORK AGILE 公式HP
WORK AGILE連携で実現するBGM運用PDCA

WORK AGILEはCSV形式で予約データを出力できます。同じフォーマットで作成したBGM再生スケジュール(時刻・エリア・ジャンル・音量)を表計算ソフトで突合すると、「BGMを流した日付・時間帯に利用状況がどう変化したか」を定量的に確認できます。
オフィス戦略PDCAの回し方
- Plan:週ごとにBGMスケジュールと目標利用率を設定。
- Do:運用後、WORK AGILEで座席予約データをエクスポート。
- Check:表計算で「利用率」と「BGM有無」をクロス集計。
- Act:翌週の時間帯・ジャンル・音量を調整し、サイクル継続。
CSVと運用データの集計で、BGMと座席利用を低コストに最適化できます。
まとめ
科学的根拠・著作権順守・データ活用を押さえれば、社内BGMは働き方改革を後押しする強力なツールになります。まずは小規模な試験導入とWORK AGILEでの効果検証から始め、音楽と空間の両面から社員の働きやすい職場づくりを進めてみてください。
WORK AGILEの料金・機能詳細はこちら
※表示価格は2025年6月時点、税抜・年間契約換算の一人当たり料金です。実際の導入費用は利用人数やオプションにより変動します。最新情報は公式サイトをご確認ください。