十分に検討した上でフリーアドレスを導入したのに、なぜか席が足りないと感じることはありませんか?せっかく導入したフリーアドレスなのに、席不足で従業員がストレスを感じていたり、生産性が落ちたりしてしまっては本末転倒です。
本記事では、フリーアドレスで席が足りない問題の原因と解決策を詳しく解説していきます。ぜひ最後までお読みいただき、自社のオフィス環境改善にお役立てください。席不足問題を解決できると、フリーアドレスのメリットを最大限に活かせます。
目次
フリーアドレス導入後に起こりがちな「席が足りない問題」とは

フリーアドレスとは従業員が固定席をもたず、自由に空いている席を選んで仕事をするワークスタイルです。オフィススペースの効率的な活用や、社員間のコミュニケーション促進といったメリットが期待され、多くの企業で導入が進んでいます。
しかし、フリーアドレス席を導入したものの「席が足りない」という問題に直面するケースも少なくありません。出社する従業員数に対して、用意されている席数が不足しているために起こる現象です。
席がない状況は、従業員の集中力や生産性を低下させるだけでなく、ストレス増加や企業イメージの悪化にもつながりかねません。フリーアドレス導入を成功させるためには、実態に基づいた計画と準備が不可欠といえるでしょう。
席が足りない問題が起こる原因

フリーアドレスを導入したものの、席が足りない状況に直面すると、効果を得られずに意味ないと感じてしまう可能性があります。さまざまな要因が絡み合って発生する席不足問題ですが、主に考えられる原因は以下の5つです。
- ● 不明確な導入目的
- ● 計画と準備が不十分
- ● 空いている席の視認性が低い
- ● リモートワーク環境が未整備
- ● 運用ルールが不明確で周知も不足
座席が不足すれば、従業員は空席を探し回ることに時間を取られ、集中して業務に取り組めなくなります。生産性低下を招き、フリーアドレス失敗という結果に終わってしまうでしょう。フリーアドレスを成功させるための第一歩は、原因の把握です。
不明確な導入目的
フリーアドレスを導入する目的が曖昧なまま導入してしまうと、席不足問題が発生しやすくなります。
具体的には、
- ● 何となくオフィス環境を改善したい
- ● 他社が導入しているから
- ● フリーアドレスにすれば、先進的なイメージになる
といった漠然とした理由で導入すれば、適切なオフィス設計や運用ルールが定まらず、席不足に陥りやすくなります。「なぜフリーアドレスにするのか?」「フリーアドレスによって何を実現したいのか?」を明確にするのが重要です。導入目的が明確であれば、それに合わせたオフィス環境を構築できるので、席が足りない問題を回避できます。
計画と準備が不十分
フリーアドレスを導入する際には、事前の綿密な計画と準備が欠かせません。計画と準備が不十分なまま導入してしまうと、席が足りない問題に直面します。
従業員数に対して席数が少なすぎると、当然ながら席が足りなくなります。特に、リモートワーク制度を導入している企業では注意が必要です。想定以上にオフィスに出社する従業員が多ければ、席不足に陥ってしまうでしょう。
また、従業員の働き方や業務内容を考慮したレイアウトでない場合も、席不足に陥りやすくなります。営業など外出が多い部署では席の利用頻度が低い一方で、開発やデザインなど社内業務が多く、集中して作業することが多い部署では常に席を必要とします。
部署ごとに必要な席数やレイアウトは異なるため、従業員の働き方や業務内容を分析し、それぞれのニーズに合わせたレイアウトが必要です。
空いている席の視認性が低い

オフィスが広すぎたりレイアウトが複雑すぎたりすると、空席はあるのに席がないという誤解が生じやすくなります。オフィス内に死角が多かったり、高い仕切りや柱があったりすると、オフィス全体を見渡せず空席状況がわかりづらくなるためです。
従業員は空いている席を探すために、オフィス内を歩き回らなければならず、貴重な時間と労力を無駄にしてしまいます。さらに、席が見つからないことでストレスを感じ、集中力やモチベーションの低下にもつながりかねません。
オフィスを設計する際には、空席が一目でわかるように開放的なレイアウトや、シンプルな導線を心掛けるとよいでしょう。
リモートワーク環境が未整備
リモートワーク環境の未整備もまた、席不足につながる要因のひとつです。リモートワーク環境が整っていないと、従業員が出社せざるを得ない状況になります。
たとえば、
- ● 社内システムに自宅からアクセスできない
- ● セキュリティ対策が不十分で、機密情報を取り扱えない
- ● コミュニケーションツールが整備されておらず、情報共有が難しい
といった状況では、せっかくリモートワーク制度を導入していても、従業員の出社率を下げられません。結果として、座席数よりもオフィスに出社する従業員のほうが多くなってしまいます。セキュリティ対策ソフトやチャットツール、Web会議システムなどを導入し、リモートワークできる環境を構築する必要があります。
運用ルールが不明確で周知も不足
フリーアドレスは、従業員一人ひとりのマナーとルール遵守によって成り立つワークスタイルです。しかし、ルールが曖昧だったり従業員に伝わっていなかったりすると、さまざまな混乱を招いてしまいます。
たとえば、
- ● 席の予約方法がわかりにくい
- ● 私物を置く場所が決まっていない
- ● 騒音に関するルールがない
といった状況でフリーアドレスを導入すれば、従業員同士のトラブルやストレス増加につながりかねません。せっかくのフリーアドレスが台無しになってしまうため、明確な運用ルールと従業員への周知が必須です。
席が足りない場合の解決策7選

席不足問題は従業員の集中力や生産性を低下させ、ストレス増加や企業イメージの悪化にもつながりかねません。そこで、企業ができる解決策を7つ紹介します。
- ● 座席予約システムを導入する
- ● 視認性を高めるため遮蔽物を撤去する
- ● レイアウトの改善を図る
- ● 共用スペースを有効に活用する
- ● クリーンデスクポリシーを推進する
- ● 適正な座席計算をおこなう
- ● 席利用状況を数字で把握できるようにする
フリーアドレスにおける席不足問題を解消し、従業員が不満をもたずに働ける環境を作りましょう。
座席予約システムを導入する
フリーアドレスにおける席不足問題を解決する手段として、座席予約システムの導入が有効です。座席予約システムとは、従業員が事前に席予約できるシステムです。席決めをスムーズにおこなえるため、快適なフリーアドレスを実現できます。
フリーアドレスでは毎日席を確保する必要があるため、どうしても早い者勝ちになりがちです。座席予約システムを導入すれば、出社前に席を予約しておけるため、席の取り合いを防ぎ、従業員全員が公平に席を確保できます。
特に、出社時間が遅い従業員や、集中して作業したい時に特定の席を確保したい従業員にとっては大きなメリットといえるでしょう。席取りが完了した状態で出社できるため、毎朝の席探しから解放され、ストレスフリーなスタートを切れます。
WORK AGILEでは、従業員が働く場所を自由に選べる多様な予約方法をご用意しています。より快適で生産的な働き方を実現しませんか?
視認性を高めるため遮蔽物を撤去する
フリーアドレスではオフィス全体を見渡せて、空いている席を見つけやすくすることが重要です。そのため、遮蔽物を撤去して、視認性を高める必要があります。
具体的な対策は、以下のとおりです。
- ● 高い仕切りを撤去、または低い仕切りに変更する
- ● 柱を撤去、または移動する
- ● ガラス張りの壁にする
視認性が高まれば、従業員はスムーズに空席を見つけやすくなり、席探しに手間取らなくなります。同時に、ほかの従業員の位置を把握しやすくなるため、スムーズなコミュニケーションを促進できます。
レイアウトの改善を図る

オフィスのレイアウトを見直すことで、フリーアドレスにおける席不足問題を解決できる可能性があります。従業員の働き方や業務内容を考慮し、適切なレイアウトを設計できれば、限られたスペースをより効率的に活用できるためです。
たとえば、オフィスを「集中作業エリア」「コミュニケーションエリア」「リフレッシュエリア」など、機能別にゾーニングしてみましょう。従業員の行動をある程度コントロールできるため、特定のエリアに人が集中するのを防ぎ、席不足を解消できます。
共用スペースを有効に活用する
会議室やラウンジなど、普段はあまり使われていないスペースを活用するのも、席不足を解消できる有効な手段です。
会議室は、会議や研修など特定の時間帯にのみ使用されることが多く、それ以外の時間は空いていることがほとんどです。ラウンジも、休憩時間やランチタイムなど、特定の時間帯以外は空いていることが多いでしょう。
これらのスペースを活用すれば、席不足を解消できるだけでなく、オフィススペース全体の利用効率を高められます。
たとえば、会議室に折りたたみ式のテーブルや椅子を導入すれば、必要に応じてレイアウトを変更し、フリーアドレス席としても活用できます。ラウンジには、Wi-Fi環境や電源を完備すれば、快適な作業スペースとして利用可能です。
普段はあまり使われていないスペースを有効活用することで、オフィススペースを最大限に活用し、従業員が快適に働ける環境を作れます。
クリーンデスクポリシーを推進する
フリーアドレスを導入する際には、クリーンデスクポリシーを推進し、快適なオフィス環境を築きましょう。
フリーアドレスでは毎日違う席を使うため、私物を置きっぱなしにしたり、書類を散らかしたりしがちです。デスクに私物が置かれたままだと、ほかの従業員がその席を使えず、席不足につながります。乱雑な環境では集中力が途切れ、仕事の効率が落ちてしまう上に、機密情報を含む書類の紛失リスクもあります。
とはいえ、潔癖症レベルですべてを綺麗に保つ必要はありません。あくまでも、次の人が気持ちよく使える状態を保つことが重要です。
クリーンデスクポリシーを導入し、従業員一人ひとりが責任をもってデスク周りの整理整頓をおこなうようにしましょう。「デスク上に私物を残さない」「書類は所定の場所に保管する」など具体的なルールを設け、従業員に遵守させるのが重要です。
適正な座席計算をおこなう

フリーアドレス導入による席不足問題を避けるためには、適正な座席数を計算する必要があります。闇雲に席を減らせば、席不足が生じ、業務効率の低下や不満につながってしまいます。逆に、必要以上に席を用意してしまうとスペースの無駄遣いになり、コスト増加の原因になりかねません。
適正な座席数を把握する計算式は、以下のとおりです。
フリーアドレス対象者 × 座席設定率 = フリーアドレス席数
座席設定率とは、フリーアドレスの対象となる従業員数に対して、どのくらいの割合で席を用意するかを表す数値です。サイオステクノロジー株式会社の「フリーアドレス職場調査」によると、企業におけるフリーアドレスの座席割合の平均値は60.8%となっています。
従業員100人の場合、
100人 × 60.8% = 60.8席
となり、最低でも61席は必要になる計算です。
とはいえ、必要な座席数は企業の規模や業種、従業員の働き方、リモートワークの導入状況などによって異なります。さまざまな要素を考慮して、総合的に判断しましょう
参照:サイオステクノロジー株式会社「サイオステクノロジー、「フリーアドレス職場調査」結果を発表」
席利用状況を数字で把握できるようにする
フリーアドレス導入後にオフィススペースを有効活用できているのか不安な方は、席利用状況を数字で把握してみましょう。感覚的な判断ではなく数字で把握できれば、問題点や改善点を見つけやすくなります。
オフィス全体の席の使用率から、現状のオフィススペースが適切かを判断できます。オフィススペースの利用率が低い場合はスペースを縮小すれば、コスト削減が可能です。
逆に利用率が高い場合は、席不足や従業員の不満が生じやすいため、レイアウト変更や運用ルールの見直しなど、改善策の検討が必要となります。
また、時間帯ごとの利用状況の把握も重要です。時間帯によって利用率に偏りがある場合はフレックスタイム制の導入や、会議時間の調整などを試してみましょう。働き方を見直すことで、オフィススペースの効率的な活用につながります。
WORK AGILEなら、座席の利用状況を数値で把握できるため、座席数の最適化がしやすくなります。
解決策では解消できない場合の対処法

これまで紹介した解決策を試みても席不足問題を解消できない場合は、より抜本的な対策が必要となるケースもあります。解決策でも解消できない場合の対処法は、以下の4つです。
- ● ハイブリッドワークモデルを強化する
- ● 分散型オフィス戦略を採用する
- ● 同じ建物内でフロアを増床する
- ● より広いオフィスへ移転する
それぞれ解説するので、自社の状況や課題に合わせて、最適な方法を選択してみてください。
ハイブリッドワークモデルを強化する
ハイブリッドワークモデルとは、オフィス出勤とリモートワークを組み合わせた、柔軟な働き方です。従業員は、自分の仕事内容やライフスタイルに合わせて、オフィスや自宅など働く場所を自由に選択できます。
ハイブリッドワークを強化すれば、オフィスに出社する従業員数の割合を抑えることができ、その結果、必要な席数が明らかになるため、フリーアドレス導入による席不足を解消できるのです。
また、ハイブリッドワークは柔軟な働き方を選択できるため、従業員の満足度向上や生産性向上にもつながります。席不足問題の解決だけでなく、企業全体の成長と発展にも大きく貢献するでしょう。
WORK AGILEなら誰がどこにいるのか、どこにいる予定なのかを、リアルタイムで把握できます。オフィス内を探し回ったり、電話やメールで確認したりする必要がなくなり、スムーズなコミュニケーションを実現できます。
分散型オフィス戦略を採用する
従来のオフィス勤務は、従業員全員が本社に集まることが当たり前でした。しかし、近年注目されている分散型オフィス戦略では、従業員は本社オフィスだけでなく、サテライトオフィスやコワーキングスペースなど複数の場所で働けます。
働く場所を分散させることで、通勤時間の短縮や人材獲得の強化、従業員満足度の向上といったメリットが期待できます。さらに、ひとつのオフィスに従業員が集中するのを防げるため、フリーアドレス導入における席不足問題を回避できる点も大きなメリットです。
同じ建物内でフロアを増床する

現在のオフィススペースが狭すぎる場合は、同じ建物内でフロアの増床を検討してみましょう。フロアを増床すれば、オフィススペースを拡張できるため、座席数を増やせます。また、コミュニケーションスペースやリフレッシュスペースなど、さまざまな用途に合わせたスペースを作れます。
別の建物にオフィスを借りると、移動に時間がかかったり、セキュリティ管理が煩雑になったりするでしょう。さらに、部署間の連携やコミュニケーションも取りにくくなります。同じ建物内であれば、移動の手間が少ない上に、従業員同士の自然なコミュニケーションを促進できます。
より広いオフィスへ移転する
オフィススペースが狭すぎる、レイアウト変更が難しいなどの場合は、より広いオフィスへの移転を検討してみましょう。座席数が増えるため、フリーアドレスで発生していた席不足の問題を解消できます。また、従業員一人ひとりのスペースを確保しやすくなるため、より快適な環境で仕事に取り組めるようになるでしょう。
さらに、移転はオフィス環境を大きく変えるチャンスでもあります。フリーアドレスに最適なレイアウトや、従業員の働き方に合わせたオフィスを作れるのもメリットです。移転は単に場所を変えるだけでなく、働き方改革を実現できる絶好の機会といえるでしょう。
フリーアドレス導入による「席が足りない問題」の解決にはWORK AGILEがオススメ!

引用元:WORK AGILE公式HP
従来のフリーアドレスでは、空席を探すためにオフィス内を歩き回ったり、同僚に声をかけて確認したりする必要がありました。席が見つからない、希望の席が空いていないという状況は従業員のストレスにつながる上に、時間をムダにしてしまいます。そこでオススメなのが、WORK AGILEの導入です。
WORK AGILEは、フリーアドレスのオフィスに最適な座席予約システムです。PCやスマートフォンからリアルタイムな空席状況を確認できるため、オフィス内を歩き回る必要がなくなります。また、予約機能を使えば「オフィスに着いたらまず席探し…」といった状況をなくせます。
WORK AGILEは、フリーアドレスのオフィスにおけるさまざま課題を解決する座席予約システムです。従業員がより快適に働ける環境づくりを支援します。
まとめ

フリーアドレスは、働き方改革やオフィススペースの効率化に有効なワークスタイルです。しかし、「席が足りない」という問題に直面するケースも少なくありません。席不足問題は、従業員の集中力や生産性を低下させるだけでなく、ストレス増加や企業イメージの悪化にもつながりかねません。
まずは席不足が発生する原因を突き止め、適切な解決策を講じる必要があります。今回紹介したWORK AGILEには、フリーアドレスの運用を効率化する機能が満載です。簡単導入、低コストで、すぐに効果を実感できるのも魅力です。
席不足問題を解消しフリーアドレスの利点を活かし、従業員にとって快適に働けるオフィス環境を実現しましょう。